Render

Git連携でWebサービス・常駐ワーカー・DBを運用するHeroku型のPaaS

分野「実行基盤・ホスティング」:書いたコードを、自分のパソコンの外で動かし続ける場所。 分野の役割とつながりは分野の解説へ。

別名:Render.com、レンダー

できること

Render ができないこと

  • 無料インスタンスでの常時稼働(15分無通信でスリープし、復帰に約 1分かかる)
  • 無料での Cron Job・Background Worker・Private Service・永続ディスク(有料コンピュートのみ)
  • 永続ディスクを付けたサービスの水平スケールとゼロダウンタイムデプロイ
  • 無料 Postgres の 30日を超える利用(作成から 30日で失効する)
  • リクエスト単位の従量課金(インスタンスは秒割りだが稼働中は常に課金。Lambda 型ではない)

制約

先頭の行が、このツールで最も先に当たる制約。値はすべて出典の一次情報で確認したもの。

項目 影響 出典 検証日
無料インスタンスのスリープ (主要制約) 15分間リクエストがないと停止し、次のリクエストで再起動に約 1分かかる Webhook の受信先や、初回表示が遅いと困るサイトには無料インスタンスを使えない。有料コンピュート($7 / 月から)へ render.com
無料インスタンスの割当と制限 750 インスタンス時間 / 月 / ワークスペース。Cron Job・Background Worker・Private Service・永続ディスク・複数インスタンスへのスケールは不可 無料で常時起動できるのは実質 1 サービス分(744時間 / 月)。無料 Web サービスを 2 つ以上動かすと月内に止まる render.com
有料コンピュートの価格 512 MB RAM・1 CPU 未満で $7 / 月、2 GB・1 CPU で $25 / 月、4 GB・2 CPU で $85 / 月(秒割り)。無料は 512 MB RAM 常時稼働の月額が固定でかかる。アクセスがほぼないサービスでも $7 / 月は発生する render.com
ワークスペースプランと帯域の込み分 Hobby $0 / 月(サービス 25 個まで、帯域 5 GB / 月、ビルド 500 分 / 月)、Pro $25 / 月(帯域 25 GB / 月、ビルド 1,000 分 / 月)。帯域超過は $0.15 / GB Hobby の 5 GB / 月は画像を配るサイトならすぐ超える。ビルド分数も Hobby は 500 分で、頻繫な push とプレビューで消費する render.com
Cron Job の制約 1 回の実行は 12時間で強制停止。同一ジョブの同時実行は 1 つ(重なると次回が遅延)。スケジュールは UTC。最低 $1 / 月 / ジョブ 日本時間で組むときは 9時間ずらす。長いバッチは 12時間で切られる前に分割する render.com
無料 Postgres の期限と容量 作成から 30日で失効。容量 1 GB 検証以外では無料 DB を使わない。本番は有料 Postgres($6 / 月から)か外部 DB へ render.com

典型的な落とし穴

  • 無料 Web サービスの復帰約 1分は、Webhook の送信元がタイムアウトして取りこぼす。Webhook 受信は有料インスタンスか関数基盤へ
  • 無料 Postgres は 30日で消え、データも失われる。期限を忘れて本番データを置くと事故になる
  • インスタンス課金は稼働時間ベースなので、トラフィックがゼロでも月額は固定でかかる。アクセスが散発的なら Lambda / Workers のほうが安い
  • 永続ディスクを付けるとゼロダウンタイムデプロイと水平スケールが無効になる。ファイルは S3 互換ストレージへ出す

コスト

課金モデル
無料枠あり
跳ねる条件

Hobby ワークスペースは $0 で無料インスタンス 750時間 / 月・帯域 5 GB・ビルド 500 分。跳ねるのは有料コンピュートを足したとき(512 MB $7 / 月から、秒割り)と、Pro ワークスペース $25 / 月に移るとき。帯域超過は $0.15 / GB

出典
render.com  検証

代替手段と差分

代替 何が違うか
Vercel Vercel はフロントエンドと短時間の関数に特化し、常駐ワーカーや永続ディスクを持てない。Render は常駐プロセス・Cron・DB を月額で運用でき、無料枠も商用利用できる。Next.js のフロントだけなら Vercel、バックエンド込みなら Render
AWS Lambda Lambda はリクエスト単位の従量課金で、アクセスが散発的なら Render の固定月額より安い。Render は常駐・WebSocket・15分超の処理が動き、AWS の権限設計が要らない
Docker Docker はコンテナを動かす道具で、動かす場所と運用は自分で持つ。Render はその Dockerfile を渡すだけでビルド・配信・再起動・TLS を引き受ける

このツールを代替として挙げているページ: GitHub PagesVercelAWS LambdaCloudflare WorkersDockerFly.io

選定判断

Heroku 型の「Git に push したらバックエンドごと動く」体験を安く手に入れる用途では第一候補。常駐ワーカー・WebSocket・Cron・Postgres を一つの画面で揃えられる。避けるのは、アクセスが散発的で固定月額が無駄になる場合(Lambda / Workers へ)と、無料枠で本番運用しようとする場合(スリープと 30日 DB 失効で破綻する)

Heroku の後継として使われることが多い PaaS で、Git リポジトリか Dockerfile を渡すと、Web サービス・Background Worker・Cron Job・Postgres・Key Value(Redis 互換)・静的サイトを同じワークスペースで動かせる。課金は「ワークスペースプラン(固定)+コンピュート(秒割り)+帯域などの従量」の三層である。

利用者が最初に当たるのは無料インスタンスのスリープである。15分で止まり復帰に約 1分かかるため、無料で本番相当のサービスを動かす道はない。次に当たるのが無料 Postgres の 30日失効で、検証のつもりで置いたデータが消える。