認証・セキュリティ 種別:マネージドサービス 成熟度 成長中 学習コスト 低

Clerk

作り込み済みUIコンポーネントごと導入できる開発者向け認証サービス

分野「認証・セキュリティ」:誰がアクセスできるかを決め、守る。 この分野で最初に触るツールとして挙げている。 分野の役割とつながりは分野の解説へ。

別名:Clerk、Clerk Auth

できること

Clerk ができないこと

  • 無料プランでのSAML等エンタープライズSSO利用(Proプラン以上でアドオンとして1接続から)
  • 無料プランのOrganizationで21人以上のメンバーを管理すること(上限20人/組織)
  • ダッシュボードへの4人目以降のチームメンバー追加(無料プランは3席まで)
  • Clerk基盤を経由しないセルフホスト運用(SaaS専業で、Clerk側インフラに依存する)

制約

先頭の行が、このツールで最も先に当たる制約。値はすべて出典の一次情報で確認したもの。

項目 影響 出典 検証日
無料プランのMRU(Monthly Retained Users)上限 (主要制約) 50,000 MRU/アプリ MRUは「その月にアクティブだったか」に関わらず保持されているユーザーをカウントする指標で、想定より早く枠に達することがある clerk.com
無料枠超過時の課金単価 追加1 MRUあたり$0.02/月 ユーザー数が読みにくいtoC向けサービスでは、成長時にMRU課金がそのまま費用増につながる clerk.com
無料プランのOrganizationメンバー上限 1組織あたり最大20人 社内向けB2B SaaSで大規模なチームを1つのOrganizationに入れる設計は無料枠では組めない clerk.com
無料プランのダッシュボードシート数 3席まで 開発チームが4人を超えると、管理画面へのアクセス権を全員に配れない clerk.com
Proプランの価格 $25/月(年払いなら$20/月)。エンタープライズ接続(SAML/OIDC/EASIE)を1つ含む SAML連携が必要になった時点でProへの移行と月額費用が発生する clerk.com
無料プランのAPI Key作成回数 1,000回/月(検証は100,000回/月まで) マシン間認証(M2M)でAPIキーを動的に大量発行する設計は、この上限に早期に当たる clerk.com

典型的な落とし穴

  • MRU(アクティブ+休眠を含む「保持」ユーザー数)の定義を月間アクティブユーザーと混同し、想定より早く課金が発生する
  • 開発インスタンスと本番インスタンスでAPIキーが分かれており、切り替え忘れで本番に開発キーのまま運用してしまう
  • Webhookの署名検証を省略し、なりすましイベントを受け入れてしまう
  • Organizationのメンバー上限(無料20人)に気づかず、招待が失敗する

コスト

課金モデル
無料枠あり
跳ねる条件

無料枠は50,000 MRU/アプリまで。超過は1 MRUあたり$0.02、Proは$25/月(年払い$20/月)からでエンタープライズ接続やOrganization機能が拡張される

出典
clerk.com  検証

代替手段と差分

代替 何が違うか
Auth0 Auth0はSAML等のエンタープライズ機能とルール拡張が豊富だが無料MAUは25,000と少なくログ保持も短い。Clerkは作り込み済みUIコンポーネントで導入が速く無料枠のMRUも大きいが、拡張の自由度はAuth0の方が高い
Supabase SupabaseのAuthはDB・ストレージと一体で無料MAUが50,000あるが認証専用のUI部品は薄い。Clerkは認証・ユーザー管理・組織機能のUIをそのまま使える代わりに単体サービスとして別料金になる

このツールを代替として挙げているページ: Auth0OAuth 2.0 / OpenID Connect

選定判断

React/Next.js等のフロントエンドで作り込み済みのサインイン画面やユーザー管理UIごと素早く導入したい場合に第一候補。SAML等のエンタープライズSSOを無料で検証したい場合や、より詳細なルール拡張が必要な場合はAuth0へ

サインイン/サインアップ画面、ユーザープロフィール管理、Organization(B2Bのチーム機能)までを、フロントエンドに組み込み可能な出来合いのUIコンポーネントとして提供する認証サービスである。バックエンドのAPI設計だけでなく画面部分の実装コストも削減できる点がAuth0等との実質的な差である。

初級者が最初に当たるのは、課金指標がMAU(月間アクティブユーザー)ではなくMRU(月間保持ユーザー)である点である。ログインしていない休眠ユーザーもカウントされるため、想定より早く無料枠(50,000 MRU)に近づくことがある。