ツール

自分の環境にインストールして使うソフトウェア

自分で動かし、自分で面倒を見る部品。無料のものが多く、止まったときに問い合わせる相手は自分。

いつこの種別を選ぶか

無料で始めたい、データを外に出せない、仕組みを理解したい、のいずれかならツール。運用に時間を割きたくなくなった時点でマネージドサービスへ

他の種別との関係

種別 どういう関係か
マネージドサービス 同じ役割の「自分で持つ版」と「借りる版」の関係。PostgreSQL と Supabase、Prometheus と Datadog、n8n と Zapier
フレームワーク フレームワークで書いたコードと組み合わせて動かす。データベース、コンテナ、バージョン管理
プロトコル ツールは何らかのプロトコル(約束事)に従って他とつながる。Git のプロトコル、OAuth の流れ
言語 (から見ると) ツールの多くは特定の言語で書かれているが、使う側は言語を意識しなくてよい
フレームワーク (から見ると) フレームワークで書いたものを、ツール(データベース、コンテナ)と組み合わせて動かす
マネージドサービス (から見ると) 同じ役割の「借りる版」。自分で動かすツールの運用を事業者が引き受けている
プロトコル (から見ると) ツールはプロトコルに従って他とつながる。Git のプロトコル、HTTP、OAuth

この種別を理解する

インストールして、自分で動かす。 PostgreSQL、Redis、Docker、Git、Terraform、Ollama。どれも自分のパソコンやサーバーに入れて使う。ライセンス上は無料のものが多く、費用は「動かす場所」と「自分の時間」として発生する。

止まったら、直すのは自分。 マネージドサービスとの決定的な違いはここにある。バックアップ、バージョン更新、故障時の復旧をすべて自分で持つ。個人の学習では問題にならないが、他人が使うものを運用し始めると重くなる。

「借りる版」が対になっていることが多い。 同じ役割で、自分で動かす版(ツール)と事業者が動かす版(マネージドサービス)が並んでいる。ツールで仕組みを理解してから借りる版に移ると、借り物の制約(プラン上限、一時停止)の意味が分かる。

次に読む種別。 対になる「マネージドサービス」、ツール同士をつなぐ約束事である「プロトコル」。

この種別のツール(13件)

分野ごとに並べている。「主要制約」は各ツールで最も先に当たる限界。

データの保存 データをなくさず置いておく場所。形(表・文書・ファイル)で種類が分かれる

ツール 学習 料金 成熟 主要制約 検証
Redis
全データをメモリに置く、ミリ秒未満で応答するキー・値/データ構造サーバー
無料 安定 メモリ上限(maxmemory)と到達時の動作: 既定 0=無制限(64bit)。32bit は暗黙に 3 GB。上限到達時は既定で書き込みコマンドにエラーを返す(読み取りは継続)
SQLite
サーバー不要、単一ファイルで動く組み込み型の関係データベース
無料 安定 同時書き込み数: 1 ライター / 瞬間(読み取りは無制限)。WAL モードでも書き込みは同時に1つ
MongoDB
JSON風のドキュメントをスキーマレスに保存する、水平分散前提のNoSQL DB
無料 安定 1ドキュメントの最大サイズ(BSON): 16メビバイト(MiB)
PostgreSQL
標準SQLに忠実で拡張性の高い、オープンソースの関係データベース
無料 安定 同時接続数の既定値: max_connections = 100(既定。カーネル設定によりさらに低い場合がある)
Meilisearch
あいまい検索とタイポ許容に強い、数十ミリ秒で応答する全文検索エンジン
無料枠あり 成長中 自己ホスト時のHTTPペイロード上限: 既定100,000,000バイト(約100MB)。http-payload-size-limitで変更可能

実行基盤・ホスティング 書いたコードを、自分のパソコンの外で動かし続ける場所

ツール 学習 料金 成熟 主要制約 検証
Docker
アプリと実行環境をイメージに固め、どこでも同じに動かすコンテナ基盤
無料枠あり 安定 Docker Desktop の無償利用の条件: 従業員 250 人未満かつ年商 1,000 万ドル未満の企業、個人利用、教育、非商用 OSS のみ無償。超える企業は Pro / Team / Business の有償サブスクリプションが必要。Docker Engine(Linux の CLI・デーモン)は対象外

開発基盤・CI/CD コードの変更を、壊さずに本番へ届ける仕組み

ツール 学習 料金 成熟 主要制約 検証
Git
分散型バージョン管理システム。全履歴を手元に持ち、ほぼ全操作がローカル
無料 安定 履歴に入れたファイルの永続性: clone は「プロジェクトの全履歴、すべてのファイルのすべての版」を取得する。一度コミットした大きなファイルは、次のコミットで削除しても、以後すべてのクローンがダウンロードし続ける
Terraform
クラウド資源を HCL で宣言し、差分を計算して適用する IaC ツール
無料 安定 ライセンス(Terraform 1.6.0 以降): Business Source License 1.1。本番利用を含む利用は可だが、IBM の有償版と競合するホスト型・組み込み型での第三者提供は不可。各版は公開から4年後に MPL 2.0 へ移行

監視・可観測性 動いているものの様子を知り、壊れたら気づく

ツール 学習 料金 成熟 主要制約 検証
Prometheus + Grafana
時系列メトリクスを収集する Prometheus と、可視化・通知を担う Grafana の定番の組み合わせ
無料 安定 ローカルストレージの既定保持期間: 15 日(--storage.tsdb.retention.time の既定 15d。サイズ上限 retention.size は既定 0 = 無効)

自動化・連携 決まった作業を、人手なしで繰り返す

ツール 学習 料金 成熟 主要制約 検証
cron / systemd timer
Linux 標準の定期実行機構。分単位の予定でコマンドを起動する
無料 安定 最小実行間隔(cron): 1分。時刻フィールドは分(0-59)・時(0-23)・日(1-31)・月(1-12)・曜日(0-7)の5つで、秒は指定できない。cron は毎分エントリを検査する
n8n
SaaS 連携をノードで組む自動化ツール。自己ホスト可で実行回数課金
無料枠あり 安定 Cloud 版の月間実行回数(課金単位): Starter 2,500回 / 月(€20 / 月・年払い)、Pro 10,000回 / 月(€50 / 月・年払い)。1回=ワークフロー1回の実行で、ノード数や処理件数は問わない

データ処理・分析 溜まったデータを集計・変換・可視化する

ツール 学習 料金 成熟 主要制約 検証
DuckDB
1プロセスに組み込んで動く、列指向の分析(OLAP)用 SQL エンジン
無料 安定 同時アクセスの制限: 書き込みできるプロセスは1つ。読み取り専用なら複数プロセスで開ける。同じ行を同時に変更するトランザクションは競合エラーになる

AI・機械学習 文章の生成・要約・分類や、予測をアプリに組み込む

ツール 学習 料金 成熟 主要制約 検証
Ollama
LLMを手元のPC・サーバーで動かす、OSSのローカル実行ランタイム
無料 成長中 既定のコンテキストウィンドウ: 4,096トークン(OLLAMA_CONTEXT_LENGTH 環境変数か num_ctx パラメータで変更可能)